ディガーメン①

僕の名前はディガーメン。ラガーメンとも似てるけどカップラーメンともラーメンマンともちょっと違う。あくせくと自分の板でキッカーのシェイプを完璧にするのが僕の仕事。ブロッケンマンを二つに折ったり、変な形を斜め後ろ方向に投げたり、三分待ってみたりするのは僕の仕事ではない。だから完成したときにエッジ引っ掛かけて入るやつ見ると背後から如意棒で突き刺したい。んでカリン塔登る。
ほら、またさっきの奴だ。またここんとこ削って雪乗せてパンパン固めて。妥協なんて一切合財しないぜ。サイドのとこも無駄なく美しく削るんだ。遊び心ももちろん交えて。。。しかし楽しい。滑ってるより楽しい。こんなに美しいのになぜみんな駄目にするんだろう。アイテムは使うモンではなくて、鑑賞するための芸術だと思うんだ。でも僕のBOSSがそうすることを許さない。お触り厳禁にしたらお給料が貰えなくなる。お給料がもらえないとご飯が食えないじゃないか。ご飯が食えないと、体力が無くなるじゃないか。せっせっせっせ。体力が無くなったらこうやってキッカーを作ることも、はぁはぁ。夜の唯一の楽しみのガキの使いや、ふぅー。リンカーンを集中して見れないじゃないか。それは困る。死ぬほど困る。待てよご飯を食えなかったら困る前に死んでしまうじゃないか。死ぬのは困る。死ぬ前にも困る。ん？まぁそれなりに困る。だから僕はこうやって今日もお客さんの為にそれなりに危険な、且つ、美しいシェイプのセクションを作るんだ。そうすればお給料がもらえるんだ。それの繰り返し。
僕の夢はいつしか僕の考えたセクション、レイアウトで展示会をすることなんだ。もちろん滑走なんてさせない。美しいレイアウトにあーでもないこーでもない、ごく少数派の人間だけ集めて議論するんだ。『国際スノーボードセクション議会』もはや首脳会談にまでその話題で持ちきりにさせるんだ。だから今日もせっせとセクションを作る。いつかその日が来ると信じてやまないんだ。そうだ降り積もる雪のように信じてやまないんだ。でも止まない雨がないように止まない雪もないんだ。でも信じるんだ。僕は純粋だから、孫悟空がキントウンに乗れるのと同じくらい純粋だ。そのくらいシェイプするのが好きなんだ。オチもないけどないけど、この辺で僕の自己紹介を終わります。またどこかでお会いしましょう。

シュッシュッシュッ。。。


スノーボードがしたい。どうやら明日からまた天気が荒れるみたい。先々週のような天候はもうどうにかしてほしいぞ。あれはキツイぞ、風邪ひいいたし。膝の調子も８割がた回復してきました。お待たせしました。
ではまた山でお会いしましょう。じゃあの。